今何かと話題のThe REAL McCOY'S(リアルマッコイズ)
実は、書店に行くと専門書も出版されている程のマニアな商品が勢ぞろいしています。
イラストレーターの岡本博さんが1987年に当時の仕事先である
【雑誌POPEYEの特集】において限定300着のA-2フライトジャケットを制作し販売しました。
予約時点で完売という大反響を受け、翌年会社ザ・リアルマッコイズ・ジャパンが設立されます。
創業26年で、現在の代表取締役は辻本仁史氏です。
フライトジャケットの復刻ブランドとして名を上げ、1997年にはジョーマッコイを誕生させます。
エコスタイルで注目するのは、ザ・リアルマッコイズの中でも人気支持率が高いTYPE A-1です。
A-2はアメリカ陸軍(当時アメリカには空軍はなく、陸軍の1組織、航空隊として存在していました)
開発した飛行服です。1927年に採用されたのはA-1です。
A-2はその後の1931年から1943年まで採用されました。
ドローイングNO.という型番に則って作るという規格がありますが
入札制度によって、特に戦時中は多くのメーカーが製造していました。
戦時中に採用が終了し、コットン製飛行服にとって代わりましたが
1980年代の終わり(確か)頃に、空軍のシンボリックな存在として復活しました。
ただし、これは素材を山羊革(以前は馬革)にし
サイジングやディテールに変更を加えたもので、第2次大戦頃のA-2とは区別されます。
リアルマッコイズやFEWは、第2次大戦当時の仕様を
ドローイングNO.や当時の実物を参考に復刻されたものです。
リアルマッコイズは1987年に
イラストレーターの岡本博氏を中心に結成されたブランドです。
彼らが復刻をする以前、一般市場に出回っていたのはA-2風のブルゾンばかりで
まったく質感は当時のものと違っており
本物の古着は徐々に希少価値が上がり手に入りづらくなっていた時代でした。
イギリスのメーカーがかなり本物に近い質感で復刻していましたが
もっと忠実に、極端な話、本物と同じものが着たいという想いから自分たちで立ち上げたものです。
その後、事実上倒産し
ニュージーランドで操業していた同社の工場長だった石塚氏が
生産態勢を引き継ぐ形で2002年(くらい?)に立ち上げたのがFEWです。
創設者の岡本氏は現在トイズマッコイプロダクトというブランドを立ち上げて、当初の志のまま飛行服の復刻を行っています。
また、現存するリアルマッコイズは当時、取扱店だったナイロンというお店が引き継いだもので、まったく別会社です。
アメリカにもA-2を復刻するメーカーはいくつかありますが
どれも日本人ほど造詣が深くなく、作りが甘いです。
同時に現在のアメリカ空軍に納入するメーカーもありますが
こちらは先に述べたように仕様がだいぶ異なります。
アメリカのメーカーの中で第2次大戦当時にA-2を納入し
現存するところでいえばクーパースポーツウェア、アイ・スピワーク&サンズなどがあります。
現在もA-2を作っていますが、まるで当時のクオリティには到達していないのが現状です。
それからリアル~、FEW、トイズマッコイ、バズ・リクソンズなどが復刻盤を製造していますが
当時の特定のメーカー(現存していない)のラベルや、そのメーカーの特徴的なディテールを再現したものなどもあります。
ちなみにA-2は戦闘用の服です。
かつてのアメリカ人にとってはそれ以上の存在でした。
1940年代には多くの民間衣料メーカーが、当時でいう復刻を着ていました。
本来は返すべき軍の所有物であるにもかかわらず
紛失したことにしておいて記念として持ち帰る兵士も少なくありませんでした。
また50~70年代のアメリカ映画では日常着として登場するシーンも多くあります。